8月21日(木)にischool for kids 夏休み特別講座「スキをつづけていいんだよ。」第4弾「VTuberってなに?アバターを作って、実際に動かしてみよう」を開催し、9名の方にご参加いただきました。
講師は、株式会社FRATELLO 代表取締役 岡田広仁(おかだ ひろひと)さんです。
岡田さんは、株式会社FRATELLOの代表取締役であり、奈良県で初めて法人としてVTuber・VLiver事務所PRODUCTION VOLLを設立されました。クリエイター・デザイナーとしての活動に加え、所属VTuberの育成や指導など幅広い分野でご活躍されています。
今回は、VTuberとはどのようなものかを教えてもらったり、実際にアバターを作成して動かしてみる体験をしました。
まず初めに、岡田さんが「VTuberってわかる?」と問いかけると、ほとんどの参加者が頷いていました。
VTuberとは「VIRTUAL YOUTUBER(バーチャルユーチューバー)」の略で、アバターを使ってYouTubeでメインで活動する方を指します。
VLiverは、VIRTUAL LIVER(バーチャルライバー)の略で、Youtube以外のアプリでライブ配信をする方を指すそうです。
ただし、その定義はまだ曖昧で、「VTuber」コンテンツとしても発展途上にあるとのことです。

また、VTuberとして活動するうえで身につくことや気を付けなければいけないことを教えていただきました。
VTuberとして活動することは、オンラインを通じて世界中の人と交流する中で、コミュニケーション能力の向上につながるそうです。一方、個人情報が特定されないよう細心の注意が必要で、たとえばSNSに画像を投稿するときには、ペットボトルなどに自分の顔が映り込んでいないか確認する必要があることなどを話されていました。

こうしたお話を通じて、VTuber活動に限らずインターネットと上手に付き合うための工夫が大切であると学ぶことができました。
続いて、岡田さんのVTuber事務所であるPRODUCTION VOLL所属VTuberの瑞無るなさんに登場していただき、「スキをずっとやってきたセンパイ」としてお話ししていただきました。
るなさんは、幼少期に視覚障がいにより片目を失明し、もう片方の目も色覚特性と矯正が効かない視力でありながら、ライブ配信サービス「17(イチナナ)ライブ」でデビューされ、実際にVTuberとして活動されています。

るなさんがVTuberを始めたきっかけは「視覚障がいのある方がVTuberとして活動していると知り、自分にもできるのでは」と思ったことだったそうです。
VTuberの活動を始める前の普段の生活では、障がいがあることで相手がどう接してよいかわからず戸惑わせてしまうことも多かったそうですが、VTuberを始めてからはそうした壁がなくなり、交流の幅が広がったと語られていました。
最後にるなさんから参加者の皆さんへ「障がいがあっても、ぜひいろいろな挑戦をしてほしい」と温かいメッセージを届けられました。
後半では、るなさんがお祭りの背景で浴衣を着て登場されました。るなさんのかわいらしい動きに自然と拍手が起こりました!


休憩をはさんだあとは、いよいよアバターづくりの時間です。
まず岡田さんから、アバター作成の流れについて説明がありました。

iPadでバーチャルアバターを作れるサイトにログインし、アバター編集をしました。
髪型や目の色、身長や服装などを自由に選び、それぞれ思い思いのアバターを作っていきます。髪型や服を選ぶのに楽しそうに迷う参加者もいれば、少し操作に苦戦したり、近くの席の方と相談している姿もありました。


完成した方から保存し、アバターに名前をつけてダウンロードします。
その後、iPhoneを持っている人は自分の携帯にデータを移し、実際にアバターを動かす体験をしました。
作成したアバターは持ち帰ることができ、今後の配信やSNSでの発信などにも活用できそうです。ぜひ、VTuberを始めるきっかけになればと岡田さんもおっしゃっていました。

参加者の中には講座が終わったあともアバターを作り続ける姿が見られ、好きなものに向かっているときの集中力と熱意を強く感じました。
講座を受けた方たちからは、次のような感想が寄せられました。
「るなちゃんが目が見えにくくても楽しく活動されていてすごいと思いました。」
「何でもチャレンジしてみたら変わることがたくさんあるんだなと思いました。顔を出さなくても誰かと関われるのはやっぱりいい時代だし、私もVTuberになっちゃおっかなと思いました。」
「アバターで自分好みに着せ替えするのがとても楽しかったです!」
今回の講座を通じて「チャレンジすることの大切さ」や「自分らしく人とかかわる方法」をこどもたちが感じ取ってくれたことが伝わってきました。
今回は「スキつづ。」シリーズ第4弾として「VTuber」をテーマに講座を開催しました。
こどもたちには、自分の「スキ」を大切にしながら続けたり、新しく好きなことを見つけたりすることで、さまざまな挑戦を通して世界を広げていってほしいと思います。また、大人たちには、そんなこどもたちに「スキをつづけていいんだよ。」とそっと肩をたたくように、こどもたちの個性を尊重し、得意を応援し、安心できる環境を整えてあげてほしいです。安心があってこそ、こどもたちは新しい挑戦へと踏み出すことができるのだと思います。