エコパーク21に行ってみよう

レポート

9月24日に「エコパーク21に行ってみよう」を開催しました。当日は親子14組38名が参加し、し尿や生ごみがエコパーク21でどのように資源に生まれ変わるのかを学びました。

エコパーク21に関するクイズで講座がスタート。

「エコパーク21が1日に処理できる汚水の量はお風呂何杯分?」
「日本にはエコパーク21のような施設はいくつある?」

「1日にお風呂約400杯分の汚水を処理できる」
「エコパーク21のような施設は日本に約870施設もある」
生駒市で環境保全を担当する職員が答えを解説すると、参加者の皆さんから驚きの声が上がりました。

エコパーク21は、「し尿処理施設」と呼ばれ、トイレの排水(し尿)などの汚水や、スーパーや給食センターなどから発生する生ごみを受け入れてキレイになるよう処理し、その過程で発生した汚泥を電気や肥料に変える施設です。

受け入れた汚水を汚泥と水に分ける「水処理」という作業も体験。小さな容器に入った汚水に薬品を入れて振ると、汚水がだんだん分離していきました。その様子を見て、
「すごい!」
「汚れと水がきれいに分かれるね」
などといった感想が飛び交いました。

また、エコパーク21では、汚泥に生ごみを混ぜて発酵させる「メタン発酵」も行っています。この処理で、し尿がメタンガスや肥料という再資源に生まれ変わるんです。メタンガスは発電に利用され、作られた電気で館内の照明になります。肥料は「たけまるコンポ」として配布されているそう。

続いて、エコパーク21の所長の案内で、施設見学に出発しました。

まずはメタン発酵を行っているメタン発酵槽へ。大人も子どもも、大きな装置を部屋の外から覗き込んでいました。

次に、アンモニアの滴定の実験を見学しました。エコパーク21では、処理水に試薬を入れることで、処理水に含まれるアンモニアの量が分かり、そこから処理水に含まれる窒素分がどれだけあるのか計測しているんだそう。

メタンガスを貯めこんでいるガスホルダーにも触りました。テントのような素材で、二重構造になっており、内側のガスホルダーが中のガス量によってしぼんだり膨らんだりします。

続いてはバキューム車の受入室の中へ。ここで、各家庭から集められたし尿が回収されています。建物は二重扉になっていて、中の匂いが外に出ないように設計されていました。住宅地の近くにあるからこその工夫なんだと聞くと、参加者の皆さんは感心した様子でした。

施設見学の後は、エコパーク21で保護をしている絶滅危惧種「カワバタモロコ」について学びました。

説明してくれたのは、市内でカワバタモロコの保護活動を行っている「カワバタモロコ保護活動ボランティア」のリーダー淀さん。活動をサポートする環境保全課の職員から、カワバタモロコのクイズも出題されました。

カワバタモロコは、川に住むメダカによく似た魚で、大きさは3~6センチほど。「カワバタ先生」という人が標本を提供したことと、数が多い小魚という意味の「モロコ」という言葉から「カワバタモロコ」となったんだそう。

カワバタモロコの卵はたったの1ミリしかなく、ふ化してもすぐに泳げない様子を、動画を交えながら紹介してもらいました。

「自然環境の中では、たくさんの生き物が関わり合いながら暮らしていて、どれかの生物がいなくなると、そのバランスが崩れてしまう。絶滅すると元には戻らないので、絶滅させないようにこれからも自然環境を守っていく必要があります」
と淀さんが話し、子どもも大人もうなずきながら聞いていました。

最後に参加者の皆さんからは、
「生駒市のことを知らなかったので、知る機会になり嬉しかったです」
「身近な施設で何が行われているかわかりました。とても勉強になったので子どもたちと復習します」
「説明が分かりやすく実際に見て学ぶ大切さを感じました」
といった感想が寄せられました。

エコパーク21の役割や、カワバタモロコのことを知ることができただけでなく、私たちが暮らしている環境を守るために、優しい行動をとりたいと改めて考えるきっかけになったようでした。

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