9月9日に『知ってるようで知らない「生理」のこと』を開催しました。現地では5組9名の方が、オンライン視聴では21名の方が参加。身体と生理の仕組みや、生理との付き合い方を学びました。
まずはNPO『みんなのカラダLabo』のメンバーで、これまでも生理をテーマに数多くの講演をされてきた生理のスペシャリスト、小山田さんから、身体の中でどんな変化があり生理が起こるのか、生理にはどのような役割があるのかといった「生理の基本」を分かりやすく教えてもらいました。
中でも興味深かったのは、卵子に関するお話。卵子は、なんと0.1ミリの大きさしかないんだそう。実際にその大きさの穴が開いた紙を見て、想像以上の小ささにみなさんも驚いていました。また、卵子は卵巣の中に無いんだとか。卵巣の中にあるのは卵母細胞と呼ばれる「卵子のたまご」であり、その卵子のたまごから選ばれた1つが卵子となって卵巣から外に出るんだそう。自分の身体への理解が深まりました。
また、生理痛の原因も解説してもらいました。生理痛は様々な理由で起こり、身体の冷えもその一つ。冷えで筋肉が固くなり子宮の動きが悪くなると、脳から「もっと子宮を動かさないと」という命令が出ることで、痛みが強くなるといいます。そのため、身体を温めると、生理痛を軽くすることができるんだそう。ただし、痛みの原因は自己判断せずに、病院を受診してほしいというお話もありました。
続いて、使い捨てナプキンの吸水力を試す実験。ナプキンに水をしみこませてからハサミで切って、中身がどのようになっているかをみんなで観察しました。
「ゼリーみたいなものが入っている」
「中身はこんな風になっているんだね」
など、色んな感想が飛び交っていました。
「生理に対するマイナスなイメージが変わると、自分自身の身体を大切にすることにつながります。生理1回を1週間とすると、40年で3360日。生理の期間も前向きに過ごしてほしいです」
と話の締めくくりに、小山田さんからメッセージがありました。
次に、『みんなのカラダLabo』代表の澤本さんと、メンバーで助産師の黒須さんとともに、初潮を迎えるときの心の準備や、生理中のストレスのない過ごし方について、みんなで考えました。
「初潮のときにどんな言葉をかけてもらいたいか」を、親子で事前に相談しておくと、心構えができるのでオススメなんだそう。
そこで親子で話し合ってみると、
「びっくりするだろうし、怖いので、『大丈夫だよ』と言ってほしい」
「恥ずかしいので、あえて何も言わないでほしい」
など子どもたちから多様な意見が出ていました。
また、子ども自身の意思を尊重して、お父さんや兄弟といった異性の家族への伝え方を考えること、生理痛などの症状や度合いは人によって異なるので、親が自分の生理と比べないこと、といった保護者の接し方にもアドバイスがありました。
「生理のことで困ったときや悩んだときこそ、信頼できる人に相談してほしいです。生理痛がひどいなどいつもと様子が違うことがあれば、気軽に病院を頼ってくださいね」
と黒須さん。
「保護者の皆さんは、ぜひお子さんの声に耳を傾けて、意見を聞いてあげてくださいね」
と澤本さんがまとめ、講座は終了しました。
参加者の皆さんからは、
「将来、自分の子どもが生理が始まった時に今日学んだことを活かしたいと思いました」
「普段から性教育は家庭で伝えているのですが、娘と再認識できる部分がありました」
「『あー、そこそこ!』と思うポイントがたくさんあり、具体的にどんな言葉でどんな様子で子どもに伝えるか、対話するか、などたくさんヒントをもらいました」
などと感想が寄せられました。
生理に対して今まで持っていたイメージが大きく変わったと感じた1日。今回の講座を通して、これから生理を迎える人も、すでに生理が来ている人も、共通して「自分の体や気持ちを大切にすること」が、生理と付き合っていく上で大事だと学びました。