学びクリエイターの新田です。
5月26日に「社会で使える算数であそぼう」を開催しました。小学生と保護者の皆さん13組28人が参加し、算数パズルや生活の中で活用できる算数の問題などに取り組みながら「社会で使う算数」を体験しました。
この講座は、マーケティングの仕事や算数教室の運営をする中で「大人とこどもの算数に対する意識のちがい」に気づいたことがきっかけで企画しました。大人たちが「算数(数学)をちゃんと学んでおけばよかった」と話す一方で、こどもたちからは「算数(数学)なんか勉強して何の意味があるねん!」という声をよく耳にし、そのギャップをなくしたい、少しでも算数を好きになってもらいたいと思うようになったんです。
当日は「算数(数学)で身につく力=3つの“しこうりょく”」の解説からスタート。
何事にもチャレンジする力の“試行力”、考える力の“思考力”、自分と向き合う力の“私向力”、どれも算数・数学で不可欠な力であると同時に社会に出てからも必要だと言われていると伝えました。
そして、参加者の皆さんに3つの課題を出しました。1つ目は「算数パズル」、2つ目は「牛1頭とスーパーのステーキどっちが高い?」、3つ目は「太郎くんが遠足に持っていくおかしを選ぼう」。
まずは、「算数パズル」にチャレンジしてもらいました。このパズルでは、間違えながらでも進めないと答えが出てこない“試行力”、なかなか解けずイライラしてしまう自分と向き合う“私向力”が鍛えられます。そしてその苦難を乗り越えて得られるスッキリ感が夢中になってしまうポイント。こどもだけでなく大人も集中して解き、この時ばかりは親子の会話もないほどでした。
次の「牛1頭とスーパーのステーキどっちが高い?」では、1個あたり〇円といった単位1つあたりの分量「単位あたり量」について学んでから課題に挑戦しました。単位あたり量を求めることで「何を基準にして考え、比べるのか」ということを思考するため、“思考力”が身に付きます。
最後は、「太郎くんが遠足に持っていくおかしを選ぼう」に取り組みました。この課題では、3つの“しこうりょく”すべてを鍛えることができます。親子チームで答えを考えてから、どのように導いたのかをグループで発表しました。
「太郎くんが好きなおやつだけ持っていくべき!」というチームがいる一方で、「所持金をぴったり使いたい!」というチームも。正解のない問いだからこそ工夫をこらした多様な考えが集まり、自分なりに考えて答えを導くことは、難しくも楽しいものだと体験できたようでした。
参加者の皆さんからは、
「スーパーで買い物をするときに単位あたり量の考え方を使ってみたいです」
「普段の暮らしの中でも算数を使える場面はたくさんあるんだなと思いました」
「算数に苦手意識を持っていたこどもが意欲的に挑戦していて、とても嬉しかったです」
という感想が寄せられました。
こどもも大人も生き生きと問題に取り組んでいる姿が印象的でした。社会で使える算数は、社会を深く知るうえで欠かせないもの。算数を好きな人が少しでも増えることを願っています。
学びクリエイター
新田 修士
生駒市在住。算数数学教室マスリバティ代表。受験で使える数学から、思考力を上げる数学まで、子どもから大人までを対象に幅広く指導している。『鬼滅の刃 キメツ学園!全集中ドリル』(集英社)、『るるぶマンガとクイズで楽しく学ぶ!数の世界』(JTBパブリッシング)を執筆。