ミライの教室「いこまの星空教室」

こどもと学ぶ

ischoolの「ミライの教室」は、わたしたち一人ひとりの可能性とチャンスを広げるための、知恵やスキル、つながりを得る場です。市内外で新しい学びに取り組む皆さんとともに、年間50の多様な講座を開講しています。

「いこまの星空教室」を2月4日と3月4日に開催し、2日間でのべ64人の親子が参加しました。

奈良先端科学技術大学院大学の学生サークル「NASC(ナスク)」の皆さんが企画したこの教室は、定員の10倍を上回る応募があるほど大人気でした。そのため、開催日を1日追加。当日は、手づくり望遠鏡の工作、宇宙にまつわるお話、そして、星空観察という盛りだくさんな内容で、参加者の期待を裏切らないものでした。

まず、NASCの皆さんから奈良先端大とNASCの活動の紹介がありました。今回の会場でもある奈良先端大は、市北部高山町にある生駒市唯一の大学。大学院大学のため情報・バイオ・物質の3分野の専門課程しかなく、最先端の研究が行われています。
NASCは先端大の学生サークルで、主に小学生とその保護者を対象にした実験教室や科学教室を開催し、科学の楽しさを伝えるために活動しているんだそう。その一環として、ischoolとこのイベントを企画することになりました。

続いては、工作の時間。身近なものを使って、望遠鏡を作りました。対物レンズや接眼レンズの持つ性質を教えてもらい、実際に望遠鏡の仕組みを理解しながら、パーツを組み立てていきました。虫眼鏡が対物レンズ、レンズシートが接眼レンズになり、紙の筒とペットボトルが望遠鏡の本体。それぞれをビニールテープでくっつけて完成しました。

「うわ、本当に望遠鏡になってる」「こんなに簡単にできるなんてすごい」と、参加者の皆さんは望遠鏡が手作りできることに、とても驚いた様子でした。

次に、作った望遠鏡を持って、月の観察に出かけました。奈良先端大に隣接した高山サイエンスプラザの広場は、遮るものがなく、空が開けて見える場所。そこに、先端大の所有する天体観測用の望遠鏡を設置し、月を高倍率で観察しました。表面のクレーターがはっきり見え、肉眼で見るよりも淡く光る月の美しい姿に、参加者からは歓声が上がりました。

手作りの望遠鏡でも観察しました。うまく焦点を合わせると月や星がよく見え、「家で星空を見上げることが増えそうです」と参加者の皆さん。

最後は、NASCとっておきの「宇宙旅行の話」を聞きました。地上から宇宙までの距離は世界統一の基準がなく、国によって違うのだそう。日本では地上100kmからが宇宙だと定義されているのに対し、NASAでは80kmからが宇宙。
そして、料金さえ払えば宇宙旅行に一般の人も出かけることができて、実際に商品として販売されているのだとか!宇宙旅行が現実味を帯びていることが実感できる話に、子どもたちだけではなく、大人も興味深々で聞き入っていました。

まとめの時間には、NASCの笹川さんから、
「私たちの活動をきっかけに、科学に興味を持ってくれる人がいれば嬉しいです」
とお話があり、子どもたちは、
「望遠鏡を作れるなんてすごいと思った。材料も作り方もわかったので、お友達にも教えてあげたいです」
「月があんなにデコボコしているなんて驚きました。もっと知りたいと思いました」
と答えていました。

また、大人たちからは、
「大人が聞いても、初めて知ることばかりでした。子どもと一緒に参加すると、自分が楽しめることがわかりました」
「子どもが今回のことで宇宙に興味を持ってくれたので、子どもの興味をどんどん広げてあげたいです」
といった感想が寄せられました。

親子で星空を眺めて、ともに学ぶことにワクワクした時間になりました。

学びクリエイター

NASC(NAIST Science Communicators)
奈良先端科学技術大学院大学の認定課外活動団体(学生サークル)
大学の近隣住民を対象にした科学実験教室や星空教室の開催などを通じ、「科学の面白さを伝える」活動を行っている。
詳しくは、こちら

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