新田 修士(にった あつし)

学びクリエイターの紹介

#算数 #数学 #社会

生駒市在住。算数・数学教室マスリバティ代表。受験で使える
数学から、思考力を上げる数学まで、子どもから大人までを対象
に幅広く指導している。『鬼滅の刃 キメツ学園!全集中ドリル』
(集英社)、『るるぶマンガとクイズで楽しく学ぶ!数の世界』
(JTBパブリッシング)を執筆。

5月26日(日)に開催した「社会で使う算数であそぼう」を企画の企画に携わった新田 修士さんにお話をお聞きしました。

― 算数や数学を用いて、どのような仕事をされていますか?

仕事としては、データ分析を中心に行う個人事業主です。データを解析して売上額や発注数の予測を示す数式を0から作っています。
算数・数学教室マスリバティは、生駒市のILBHに参加して立ち上げました。

― こどもたちに算数や数学を教えるようになったり、書籍の執筆をするようになった理由を教えてください。

数学が社会で利用されている事例を楽しく簡単に伝えることで、数学の人気を高くしたいと思ったからです。もともと、大学と大学院で数理工学、数学の応用例を学んでいました。当時、数学は解けるのが楽しくて好きだったんですが、大学に入ってからは「社会で使える」ということに気づいてもっと好きになりました。そこまでは趣味の数学だったんですが、卒業して社会人で働き始めてから変わりました。新卒で人材研修の会社に入り、営業をしておりました。そのとき、経営者の方々から「数学ってめっちゃ大事やんな」と言われ、学生時代のことを思い出して違和感を覚えました。その違和感は「経営者は数学が大切!」と言っている一方で、「数学なんて要らない!」という学生たち、何なら先生たちが多いことでした。このギャップについて考えているうちに解消したい!と思うようになって、オンライン家庭教師から数学教室を始めました。
教室では、受験のコースと、社会で使われている算数(小学生向け)コースの二つがあります。受験のコースは合格するための技を教えたり、目標から逆算して具体的な学習スケジュールを徹底して、目標達成を実現しています。社会で使われている算数(小学生向け)コースでは、実例とワークを基に算数や数学の楽しさを伝えています。
教材の執筆業務に関わっているのは、地元が奈良で仲良くなった有名なライターの方から教材会社を紹介してもらい、携わらせてもらっています。呼んで頂ければ、どこにでも顔を出すタイプなので、ラッキーなことにご縁を頂いて教材の執筆の仕事もしています。

― 社会で算数を使うメリットを教えてください。

数学(算数)のメリットは「最適化」です。これは僕の研究してきた畑にも関係があるので一概には言えないですが。(笑)
数学を社会で活用する際に一番大事なことは軸を決めること(X・Y軸)だと思っています。何かを意思決定するときに悩んだら、その決定をするときに自分にとって大事な指標の軸を数字にすることで最適に納得感を持てるカタチにすることができます。恋人や不動産を選ぶときの感覚と似ていますね。駅から2km以内!であったり、部屋は3つ以上欲しい!といった具合です。
例えばタイムパフォーマンス。学生はよく「タイパ」と言いますね。あえて「タイパ」を数式で簡単に表現すれば、分数になります。分子がパフォーマンス、いわゆる成果ですね。学生で言えばテストの点数、社会人で言えば給料などがイメージしやすいかと思います。そして分母が時間です。このように考えれば「タイパ」を良くしよう!と思ったら、考えられることは2つです。1つ目は、限られた時間の中でパフォーマンスを上げること。2つ目は、時間を短縮してパフォーマンスを行うこと。もちろん2つを同時に行うことが大切ですが、分かりやすくするために2つに分けています。学生にとっては定期テストの勉強が分かりやすいかもしれません。学生のみなさんがよくやる学習方法は「徹夜で詰め込み」ですね。これは時間を短縮する方(2つ目)に該当します。この方法で点数が取れれば「タイパ」は上がるし、楽です。これはタイパを上げる方法としては正解ですね。ただ、長期的には「タイパ」は悪くなっていきます。理由は明確で「復習しない」からです。せっかく勉強して覚えたことが抜けてしまい、結果的にはもう一度同じところをやり直すことになり、長期的に考えれば、分母の時間が大きくなってしまい、タイパは下がってしまいます。
このように数式で分解して考えると、パフォーマンスをあげる努力の方が、長期的にみたときに結果としてよかったと感じる人が多いと思います。なので、徹夜で詰め込んだら、テストが終わった後にもう一度テストを解いてみて下さいね。(笑)

― 算数や数学に苦手意識がある子は、どんなことから始めたらいいですか?

算数や数学が苦手な子は、タイパやコスパのようにお金や時間に対して意識をもつことから始めるのがいいかもしれませんね。ゲームであれば1時間で3つのコースをクリアした!明日は30分しかできないから1つのコースで終わりかな。といった具合に予測が立って、その予測に対して成長が分かり、数字に興味を持つのかな?って思ったりもしています。(笑)
個人的な見解では、算数や数学が嫌い・興味ないっていうのは実生活に入ってないからだと思っています。
嫌いだったらやらずに好きなことで突き抜ければいいのでは?と思う人もいるかもしれませんが、数字は誰かに説明するときに説得力を持たせるために有効なんです。そのために、算数や数学は学んだ方がいいと思っています。
ただ僕が指導するときに気をつけていることは、間違っている解答に×をつけたらやる気がなくなるので、×はつけないことです。こどもたちが頑張って答えを出したのに無下に×だけつけるのは忍びなくて…。(笑)
具体的には、僕がこどもたちの答えを出す過程を見て、そのプロセスについて、どう考えたかを話します。要は算数をやりながら国語をやるんです。答えや数式は同じでも考えているプロセスが様々なのでとても楽しいですよ。もちろん正しい考え方には導く必要があるので、その考え方が間違っている理由と他で使える場面まで言うこともあります。

― 新田さんは文系・理系の選択についてどう思われますか?

文系・理系の選択は、今の気分に加えて自分なりに将来どうなりたいか、10年後の自分を考えた上で決めればいいと思っています。なので個人的にはどっちでもいいと思っていますね。
日本の理系高校生が学ぶ数学はオーバースペックなんですよね…。実際、アメリカでは、日本の高校生が学ぶ数学の内容は高校生の間では学ばなかったりするとか聞いたことがあります。
僕自身は文系の職業(営業職)に進んだからこそ、算数や数学が社会でどう使われているかという疑問が浮かんだんです。文系・理系、もっと言うなら勉強する学問は物事の表現方法の一つでしかありません。数学であれば数式で表す。音楽であれば、音や歌詞で表す。国語(言語)の世界であれば文字で表す。といった具合ですね。

― 新田さんの今後の目標を教えてください。

実際に講座をしてみたら、こどもたちはいい反応で楽しんでくれました。
今後は学校で講座をやってみたいと思っています。学校で数学が面白くないと思っている学生、受験で必要な数学を面白くないと思っている人に、「社会でどうやって算数・数学が使われているか」を伝えたいと思っています。
また、社会を知っている大人にもそのような内容を伝えていきたいと思っています。

新田 修士さんが企画した授業
5/26(日)社会で使う算数であそぼう

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