学びクリエイターの町矢です。
「今年の思い出を墨でかこう」を12月17日(日)に「芸術会館美楽来」で開催しました。親子8組19名の皆さんが参加し、それぞれの2023年を振り返りました。
書き方の決まりがない「遊書」は、きれいに書くのではなく、自分の心のままに筆を動かし、書いていて心地よい線やワクワクする線を墨で表現します。
まず、ウォーミングアップでは、利き手以外で書いたり、目をつぶって書いてみたりと、いつもはしない書き方に挑戦。自由に書くことで自分の頭と心をほぐしていきました。
遊書の自由な表現方法に初めは皆さんも戸惑ってるようでしたが、書いているうちに、いつの間にか自分の書き方を見つけ、スラスラと筆が進んでいるようでした。
次は、2023年の中で、「大きくても小さくても、自分ができたと思うこと」「頑張ったこと」「印象に残っていること」を、いろんな角度から振り返って書いていきました。
「やさいが食べられるようになった」と書いた子や、「休むことができた」と書いたお母さんなど、人により表現した内容は本当にさまざま。また、書いた言葉を親子で眺め、親子でお互い頑張ったことを讃えあっている様子がとても素敵でした。
そして、この振り返りをもとに、これからの自分の「のびしろ」や「やりたいこと」など、この先の未来にも想いを馳せました。書き進めるにつれて、大人も子どももそれぞれが表現することにのめりこんでいくようでした。
今回、子どもたちには「自分の心が何に対して動いたのか」「自分は何が嬉しかったのか」など、自分のことを知ってもらうきっかけにしてほしい。大人たちには、普段は後回しにしがちな自分に向き合い、作品づくりを通して少しでも自分の心に触れてもらう時間にしてほしい。そういう願いを込めてこの教室を企画したので、みなさんが遊書で自由に表現している姿は、私にとってとても嬉しいものでした。
最後は、2023年で印象に残ったことを1つ、大きな一枚の紙にみんなで書きました。
参加者の皆さんから、
「自然な子どもの姿を見ることができ、嬉しかったです」
「親子で自由に書く時間が貴重だった」
「頑張っている自分を認めてあげることの大切さに気付けました」
などといった感想が寄せられました。
筆の持ち方、書き方も自分次第で自由自在の「遊書」。枠にとらわれない時間をみんなで過ごすことができました。
2024年も皆さんにとって、心を自由に表現できて、自分らしく進める年でありますように。
学びクリエイター
町矢 真美
一般社団法人ひらく代表、YMCA学院高等学校 非常勤講師、書家
YMCA学院高等学校にて「自己表現とコミュニケーション」分野の授業を担当。2022 年「ひらく」を設立。校舎や決まった時間割のない新しい形の学びの場「ひらく学校」では、高山町を拠点に、ものづくりや農業、食、デザインなどの体験を通して、「自分の好き」を進路につなげる多様なプログラムを開講している。
詳しくは、こちら
これまでに、町矢さんが企画した講座のレポートもぜひご覧ください。
vol.1「親子でアート 新年の抱負を墨でかこう」