大笑いしながらジェンダーを語ろう!

レポート

学びクリエイターの岩城です。
11月16日、「大笑いしながらジェンダーを語ろう!」を開催しました。

この日は、『フェミニズムに出会って長生きしたくなった。』(幻冬舎)や『自分も傷つきたくないけど、他人も傷つけたくないあなたへ』(KADOKAWA)など多くの書籍を出版され、SNSでも大人気の作家アルテイシアさんと、帝塚山大学法学部教授でゼミ生とともに「ジェンダーギャップを考えるカルタ」を制作されている末吉 洋文さんをゲストにお迎えしました。

まずは、アルテイシアさんの講演「ジェンダー知らなきゃヤバい時代がやってきた」からスタート。今回アルテイシアさんにお越しいただいたのは、ジェンダー(女らしさ/男らしさ)から解放される方法を楽しく笑いながら学びたかったからです。著書やSNSで発信される文章からも分かるように、アルテイシアさんの軽快なトークは本当に面白く、うんうんと頷きながら、時に大笑いしながらジェンダーについて知ることができます。モヤモヤを吹き飛ばし、社会が作り上げてきた「らしさ」に縛られず自分らしく生きていいんだというお話に、会場の皆さんも聞き入っていらっしゃいました。

中でも私が心に残った言葉は「モヤモヤするのはアップデートできている証拠」という言葉でした。普段の生活の中でも、ジェンダーに関するモヤモヤは尽きません。それはともすれば「知らなければ、気づかなければ苦しまずにすんだのに」というものかもしれません。しかし、それは自分自身のジェンダーに対する解像度が上がっている証拠だと、前向きに捉えていいのだと、アルテイシアさんが勇気づけてくれたように感じました。

講演のあとは、末吉先生と私も加わって3人のトークセッションでした。

参加者の皆様から事前にいただいていた質問や相談にも答えながら、和気あいあいとした雰囲気で進んでいきました。職場での女性の扱われ方のモヤモヤ、身近な出来事から感じるジェンダーに関する不満、世代間の意識の差についての悩みなど、たくさんの、そしてとても熱量の高い質問や相談をいただき、登壇者3名も深く考えさせられる時間でした。アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)は簡単に克服できるものではないからこそ学び続けることが大切、という結論に、そうだなと思うと同時に、この講座がその学びのきっかけになっていれば嬉しいなと思いました。

そして最後は、参加者みんなで「ジェンダーギャップを考えるカルタ」を作ってみました。

実は、企画スタッフ側では「いきなり作れと言われて、時間内に作れるものなのかな…?」と心配していたのですが、これが全くの杞憂でした。もう驚くほど、あっという間に会場からどんどん出来上がってくるカルタ。アルテイシアさんも「やっぱり奈良の人は句を詠み慣れているんですか!?さすがですね!」と絶賛してくださったほどです。どれも甲乙つけがたい名作ばかりでしたが、アルテイシアさん、末吉先生、そして私で1つずつお気に入りを選び、その場でご紹介させていただきました。アルテイシアさんが作られた「家父長制? ナメんじゃねえわ NOW令和」という句も、さすが、韻の踏み方がラップのようで名作でした。

なお、皆さんの作品があまりに名作揃いだったため、当初は選ばれた3作品だけホワイエに展示しましょうという話だったのが、もったいないので全部展示しましょう、とその場で変更となりました。展示をご快諾くださった皆様、ありがとうございました!

講座終了後の感想として「ぜひ毎年やってほしい」というお声もいただき、とても嬉しく思いました。パープルリボンキャンペーン(女性に対する暴力をなくす運動)と連動しての今回の企画、参加者の皆様が自分自身の権利の大切さを再認識し、権利のために連帯したり、ときにはNO!と声をあげることの大切さを改めて感じられる機会になっていれば嬉しいです。ジェンダーの問題は「男性VS女性」という構造でもなければ「専業主婦VSキャリアウーマン」という構造でもありません。社会の偏見や不平等に対して、私たちは手を取り合い協力しながら、誰もが「らしさ」に縛られず生きていける社会にしていきたいですね。

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