ischoolの自然体験プログラム「週末スローライフ」。自然の中で体験しながら五感を養い、生きる力を育むことを目指し、「竹の時間」「米の時間」「草花の時間」をテーマにした講座を実施しました。
学びクリエイターの町矢です。
「週末スローライフ」の第3回目「草花の時間」を5月20日(土)に「花のまちづくりセンターふろーらむ」で開催しました。親子や三世代の家族など、幅広い世代の28名の皆さんが参加し、ふろーらむの職員であるガーデナーの福田さんと共に、花盛りの庭を五感で楽しみました。
まず、草花のクイズから始まりました。
「茎は、全て丸いと思いますか」
「植物は、動かないと思いますか」
など、身近にあるのに、意外と知らない植物に関する問題を出題。
「シソ科の植物の茎は、四角です」
「植物は、動きます」
という答えに、会場からはどよめきが起こりました。特に、「植物が動く」ことに皆さんびっくり。暖かい地域に生えるガジュマルの木は、「歩く木」とも言われ、枝から出ている足のような根っこで、自分に合う環境を求めて移動するのだそうです。他にも球根は時期によって土の中で上下に動くのだとか。
文字で読むとなかなか頭に入らない知識も、植物の専門家であるガーデナーさんから伝えてもらうことで、とてもワクワクした気持ちになりました。
続いて、福田さんの案内でふろーらむの庭を巡るガーデンツアーへ。一年の中でも一番花が咲き誇る美しい季節。ちょうどバラも満開。みんなで花に顔を寄せて、香りを楽しみました。スイカズラや草木のみずみずしい匂いもたちこめ、庭全体が心地よい空間でした。
また、福田さんイチオシの触りこごちのいい葉っぱを教えてもらいました。「ラムズイヤー」という植物は、その名の通り「羊の耳」のようなふわふわした感触。一度触れるとずっとやみつきになるような心地よさで、小学生の男の子は、講座の間大事に握りしめていました。
そして最後は、ラベンダーのスワッグ(花束)づくり。剪定のコツを教わり、好きな色のラベンダーを自分で切って集めるところから始めました。それぞれが選んだラベンダーに、ブルーアイスといういい香りの枝を合わせて、思い思いにスワッグにしていきました。
完成してから、満足そうにスワッグを見せ合っている皆さんの姿がとても印象的でした。
「ゆったりと過ごせました」
「家の庭をきれいにすることで、街中にも緑が増えたらいいなと思いました」
などという感想とともに、家でも庭づくりを実践してみたいという声が、参加者の皆さんからたくさん寄せられました。
今回の講座は2時間があっという間に過ぎるほど盛りだくさんな内容でしたが、不思議なことにお花を眺めたり香ったりして過ごす時間は、時がゆっくり過ぎていくような感覚もありました。また、光を求めてその方向に向きを変える植物を見て、たくましさや前向きな姿に力をもらうひとときでした。
生駒は、生駒山の麓で、いつも自然を身近に感じられる、緑ゆたかなまち。そんな恵まれた環境の中で、変わりゆく四季を、草花で感じていくことができたらいいなと改めて思いました。
「週末スローライフ」は、さまざまな情報が溢れ、評価や成果、効率を追及することが“正解”とされがちな社会の中で、そのリズムとは異なる自然界に触れることにより、私たちの視野を広げる豊かな時間をつくりたいという想いから生まれた企画。「竹の時間」「米の時間」「草花の時間」を実施してきました。ここで一度ischoolでの企画は終わりますが、今後も自然に身を任せることができる癒しの時間をつくっていきたいです。
※今回は講座の一環として、ふろーらむに咲いている花を摘みましたが、普段はお控えいただいている行為ですので、ご了承ください。
学びクリエイター
町矢 真美
一般社団法人ひらく代表、YMCA学院高等学校 非常勤講師、書家
YMCA学院高等学校にて「自己表現とコミュニケーション」分野の授業を担当。2022 年「ひらく」を設立。校舎や決まった時間割のない新しい形の学びの場「ひらく学校」では、高山町を拠点に、ものづくりや農業、食、デザインなどの体験を通して、「自分の好き」を進路につなげる多様なプログラムを開講している。
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