親子で旅育にチャレンジ

レポート

学びクリエイターの太田です。

7月2日に『親子で旅育にチャレンジ』が開催されました。16組33人の親子が参加し、チームで協力して「生駒の魅力」を発見、親子で「生駒を旅する計画」を立てました。

「旅する」とは、自らをいつもと違う景色、交流の場に置き、多様な価値観に触れること。その実体験の中から新たな視点や思考が生まれ、新鮮な驚きや感動を得られるといった魅力があるものです。

今回の講師、旅行ジャーナリストの村田和子さんは、旅での新しい体験や人との出会いが、子どもたちの「自己肯定力」「コミュニケーション力」「知恵を育む力」を伸ばしてくれると『旅育メソッド』を提唱されています。

村田さんの旅育講座には子どもたちが主体的に関わる仕掛けが満載。それは講座が始まる前から始まっていました。まず、子どもたち自身がこの講座への参加を決めること。そして、名前や生駒の好きな場所などの紹介を載せた「自己紹介ボード」をつくる事前ワーク。

その他にも、たけまるくんが載った素敵なデザインの『旅育ノート』が配布されたり、講座の中にいろんな「チャレンジ」が用意され、成功したらポイントがゲットできたり。子どもたちがワクワクしながら学べるよう細部まで工夫されていました。

講座はチームの顔合せからスタート。
自己紹介とともに、「私の好きな生駒」を発表しました。印象的だったのは、子どもが「大好き」と感じる生駒は、名所やよく知られたものよりも、人と触れ合う温かな交流の場が多く挙げられていること。どのチームも、ホワイトボードに書き出す作業が追い付かないくらい、たくさんの「私の好きな生駒」があがりました。

次は、『生駒マイスター』こと、私が出題する、「生駒クイズ」の時間。
他県や他国から来られる宿泊客の方の感想から取り上げた生駒の魅力は、参加者の皆さんにとっては新しい新鮮な切り口になるのではないかとつくったクイズです。

食と自然に感謝し、地域の子供を大切に見守る文化『お月見どろぼう』、自然を畏れ敬い守ってきた慣習が今の豊かな自然環境につながる『七ツ森信仰』、地元の伝統工芸『茶筌』、そして、市外から訪れた人が捉えた生駒の『風景』をお題にし、1問ずつ出題しました。

生駒に残る、生駒谷の深い森と農村の時代から伝わってきた自然を大切にする文化。そこに、大都市通勤圏の住宅都市として移り変わる中で都市の文化も融合し、住む人の豊かな日常とコミュニティを作っている…伝えたかったのは、そんな生駒の魅力です。

また、クイズでは美しい生駒の景色の写真をふんだんに使いました。山並みと街路樹が美しい坂道のある住宅地、点在する田んぼを横切る線路、道端にたたずむお地蔵さま、そして朝焼けの中に見える生駒山の雲海。いつもの日常だけれどいつもの見方とは違う美しい生駒を紹介しました。

ポイントゲットにつながるクイズに、子どもたちは夢中になって取り組んでくれました。最初はお母さんの顔を見てから行動していた子どもたちも、前のめりに。正解したときは歓声が大きくあがりました。

続いて、親子で「再発見生駒の旅計画」づくり。
「それそれ~!ママも食べてみたいやつ」と観光パンフレットを見ながら盛り上がったり、「絶景の生駒を写真に撮りたいよね」と新しい生駒を探す旅を考えたり。それぞれが生駒で行きたいところ、やってみたいことを挙げ、親子でお互いの好みをすり合わせながらプランを練っていました。

発表された家族旅行はどれも、子どもたちが積極的に考えアイデアを出した、少しマニアックでユニークな、生き生きとしたものでした。

最後に、ポイントを多くゲットしたチームの発表や表彰式があり、全員に『生駒マイスター認定書』が授与されました。子どもたちはとっても誇らしげでした。

参加者の皆さんからは、
「生駒の知らなかった魅力をたくさん知ることができました」
「子どもが自信を持って発表できていて嬉しそうでした。意欲的に考えてくれて良かったです」
「とても良い経験ができました!旅を考えることが楽しかったので、今度家族旅行をする時にもプランを立ててみようと思います」
などと感想が寄せられました。

人生や日常を豊かにする旅。子どものうちから自分で計画し家族に取り上げてもらえることは、肯定感をもって自ら新しい見方を発見し、多様に感じることにつながるはず。そして、そうして自分が計画した旅ならば、きっと子どもたちが積極的に関わっていくだろうことを実感する講座でした。

身近な場所でも「旅をする」の切り口で、ぜひ家族で『旅育』をしてみてください。

学びクリエイター

太田 奈美
古民家Cottage鹿音の代表。1児の母。伝統文化やインテリア、食文化に関心があり、海外旅行が趣味。結婚を機に韓国で大学講師として9年間働いた後、旅行・自然・伝統文化・交流を通じた癒しの場として「古民家Cottage鹿音」を創り、国内外から年間2,000人を超える訪問客を受け入れている。

関連記事

TOP